3000年01月01日

(3)ビデオオトスコープによる外耳炎の治療

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(追加分)ビデオオトスコープの治療例をまとめてみました。

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(28)症例l 9歳 ネコ 慢性外耳炎 検査では、マラセジア陽性 抗生物質と抗真菌薬の合剤を使用してもなかなか改善しなかった。よって麻酔下でのビデオオトスコープを実施しました。同時期に細菌感受性検査を実施しましたが、菌は存在しませんでした。
最初、耳内にスコープを入れると途中で耳道は閉塞して奥に進ずほとんど観察できませんでした。
#耳道狭窄のため通常のスコープは使えず細いタイプを使用、そのため(29)〜(31)は画質が悪いです。


(29)症例l(上と同じ症例) スコープ先端からカテーテルを出して水圧で鼓膜手前の耳垢を除去しているところの画像。耳垢は耳道に強く付着してなかなか除去できない。耳道狭窄と耳垢が耳道に強く付着しやすいのが改善しなかった原因だと推察。


(30)症例l(上と同じ症例) 鼓膜はすでに破れており慢性中耳炎になっていた。破れた鼓膜はスコープ先端から出した鉗子で除去。除去の際に多少の出血がありますが、洗浄液と止血剤を交互に注入して止血。


(31)症例l(上と同じ症例) その後、鼓膜があった付近と中耳内をカテーテル洗浄してある程度綺麗になったところの動画。画面に見える白いものは鼓膜の切れ残ったものです。


破れた鼓膜は、耳の状態が改善してくれば再び再生する場合もあるようです。

その後、1週間後、院内の細胞診では、以前に存在していたマラセジアはいなくなっているにも関わらず耳の黒い汚れは改善せず再び溜まってしまいました。

ビデオオトスコープを行ったにもかかわらず改善しなかった初めてのケース。よって何かほかに原因があると考えました。以前に細菌感受性検査で細菌の存在もなく、特殊な病原体による耳の炎症を疑い、真菌の培養検査を検査センターに出しました。  
約2週間後の検査結果は、アスペリギウスによる真菌による耳道の炎症でした。非常に稀な例です。
耳洗浄液を変えて、別種類の抗真菌剤を用いて治療。

その後、痒みはほとんどなくなり黒い汚れも僅かにあるのみになりました。
完治には時間がかかるので1日1回の特殊な耳洗浄液の洗浄と薬剤の塗布はしばらく必要です。



posted by sam at 07:00| 埼玉 ☔| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする